30.11.2020

木材の温度特性

木材は多孔質なため、熱伝導性は比較的低くなっています。木材の密度が低くなるほど、熱伝導性も低くなります。木目の方向での木材の熱伝導性は木目に対して直角な場合の約2倍です。例えば、マツの木目の方向での熱伝導性は0.22W/moCですが、直角方向では0.14W/moCです。木材の含水率が増えると、熱伝導性も高くなります。木材の温度が下がると、強度も下がります。木材の木目方向への熱膨張はごくわずかです。放射方向や接線方向への熱による変化はかなり大きくなります。木材の木目に対するさまざまな方向での熱膨張率と水分収縮率の比率はほぼ一定です。度重なる温度の変化により木材の強度が低下します。気温が0℃以下になると、細胞組織内の水分が凍って膨張するため、木材にひびが入り始めます。

木材の蓄熱性は密度、含水率、気温、木目に対する方向で異なります。0~100℃でのマツとスプルースの平均的な比熱の値は2300J/kg℃です。水分量が増えると木材の比熱も高くなります。これは水の比熱が木材の比熱より高いからです。マツの熱容量はレンガと同程度ですが、密度はレンガに比べると1/3程度しかありません。熱容量が優れているため、頑丈な丸太の壁は外壁材として優れていますが、ミネラルウールの断熱性は木材の熱伝導性の3倍も高くなっています。