30.11.2020

木材の火炎特性

木材の温度が100℃に達すると、化学的に解放された水分が木材から蒸発し始めます。乾燥した木材の熱軟化は180℃で始まり、320~380℃の間で上限に達します。そうなると木材に含まれるリグニン、セルロース、ヘミセルロースが分解し始めます。湿った木材の方が早く軟化が始まり、その温度は約100℃です。

熱にさらされている時間によって、木材が点火する温度が異なります。通常、木材が点火するのは250~300℃です。点火後、木材は1分間に0.8mmのペースで炭化し始めます。硬い木材製品では炭素の層が木材を保護するためゆっくりと燃え広がり、木材内部の温度の上昇や炎の広がり方が遅くなります。例えば、炭化の境界から15mm離れると、木材の温度は100℃を下回ります。この特性を考慮して荷重のかかる構造部などの寸法を測ります。

グルーラムの場合、炭化の速度は1分間に0.7mm以下と遅くなります。密度や含水量が低く、個々の木材が薄いほど木材ほど点火しやすくなります。木材の鋭利な角や、粗い表面、節やひびなども燃えやすくなる要因です。