1.12.2020

心理学的特性

木には心理学的な効果もあります。木材の内装は人のストレスレベルを抑える効果があると言われています。他の材質を使った部屋と比較すると、皮膚の導電性による測定では木の家具を置いた部屋のストレスレベルが最も低くなりました。白い部屋に植物を置いた場合でも同じ効果は得られませんでした。

木がもたらす心理学的効果は学校でも証明されています。内装がすべて木材でできた教室では、心拍数で測定したストレスが朝がピークですが、学校に到着後すぐに下がり始め、その後上昇することはありませんでした。通常の教室では生徒のストレスは中程度のまま一日中続きました。通常の教室に比べ木の教室の方が疲れや非効率性を感じるなどのストレスが少なくなりました。

また、内装に木材を用いることで、人間の行動や社会規範にも影響を与えているとも思われます。木材製品が使用されているオフィスでは、訪問者が従業員に対して抱く第一印象が、木がないオフィスに比べると好ましい印象を与えました。木を使ったオフィスでは通常のオフィスに比べ、従業員の仕事の効率性がアップし、誠実さや責任感、信頼性も高まりました。高齢者の介護にも興味深い予想外の観察結果が見られました。介護施設でスタッフの意見によりダイニングルームのトレイなどに木材製品が導入されると、入居者同士のコミュニケーションや周囲への認知力が高まりました。

模造材ではこのようなポジティブな影響は見られないようです。模造材を使った部屋に比べ、本物の木を使った部屋の方が睡眠の質やストレスからの回復が良いという生理学的な測定結果が出ています。